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江上茂雄展 [notes]

武蔵野市立吉祥寺美術館で『江上茂雄:風景日記 diary/dialogue with landscapes』(2018年5月26日〜7月8日)を観てきました。
私はこの画家のことをまったく知らなかったのですが、たまたま目にしたチラシの絵が気になって自宅も近いので観に行ってみました。
結果、素晴らしい画家に出会うことができて感激です。

幼い頃から画家として生きる決意をしていたようですが、家庭の経済的事情で美術学校へ進学せず、会社勤めをしながら独学で絵を描き続けた画家です。定年退職後はひたすら制作に没頭したということです。
2014年に101歳で亡くなるまでに2万点以上の作品を残したそうです。

使っている画材はほとんどが小学生でも馴染みのあるクレパス。そして定年退職後に病気をしてからは水彩。
題材もどこにでもある身近な風景を描いています。
エキセントリックな表現をしているわけでもありません。

クレパスだけでこれだけの表現ができるということを見せつけられて、私の創作意欲も刺激されました。

20年以上にわたって定点観測で描き続けた風景画がずらっと100点近くまとめて展示されている様は圧巻でした。(会場内は最近の流行りで撮影OK)
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いのくまさんの猫 [notes]

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムに『猪熊弦一郎展 猫たち』を観に行きました。
私も色々な画家たちの描いた猫を見ていますが、猪熊弦一郎の猫はかなり好きです。
なかでも、チケットにも使われている「猫と食卓」という作品は白眉だと思いました。
テーブルの上で猫たちが食事をしている光景ですが、青と黒と白のコントラストと構図が素晴らしいです。そして食事する猫たちの表情の可愛さ。たまりません。



心癒される展覧会でした。

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熊谷守一 [notes]

国立近代美術館で開催されていた『熊谷守一展』、見逃してしまいました。残念。
5月には晩年の熊谷守一をモデルにした映画『モリのいる場所』が公開されるようです。こちらも楽しみです。

私が熊谷を知ったのは高校生の頃に美術全集で見た『陽の死んだ日』。
以来なぜかずっとこの絵が頭から離れませんでした。
この歳になって私も特別な経験をしてようやくわかりました。
熊谷は悲しみを絵で表現をしようとしたのではなく、ただ単に描かずにはいられなかったということ。
絵を描くことだけが愛する子の死という現実と向き合うための唯一の術であったということ。

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フジコ・ヘミングのラ・カンパネラ [notes]

以前から行きたかったフジコ・ヘミングのコンサート。
チケットを貰ったので日曜日に上野の東京文化会館に行ってきました。
上野は十数年ぶり。
クラシックのコンサートなんて20年ぶり。
一人でコンサートに行くのは初めて。

フジコさんの人柄のおかげか暖かい雰囲気のコンサートでした。
下手くそなどという批判も多いですが、私は彼女の弾くラ・カンパネラが好きです。

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ジャコメッティ展 [notes]

国立新美術館にジャコメッティ展を観に行きました。
この展覧会も一部写真撮影OKのエリアがありました。最近こういうのが流行りなのでしょうか。
一枚撮ってみました。チェース・マンハッタン銀行からの依頼を受けて、ニューヨークの広場のために制作された3点だそうです。
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ジャコメッティと言えば細い針金のような人物像で有名です。
真近で見て感じたのはジャコメッティの人物像たちと私との間にある絶望的とも言える隔たりでした。手で触ることができるほどの距離にいるのに決して触れることができないという感覚。

群像作品においても、一体一体は孤独で他の彫像たちと決して触れ合うことがない。
お互いの存在にまるで気づいていないか(あるいは関心がないか)のようです。
彫像たちはそれぞれが「孤独」から逃げるように足早に歩き去る。あるいは立ち尽くす。
よくわかりませんが、こういうのを「実存主義」というのでしょうか。

現代に生きる私たちは「孤独」を抱えています。
それは友達がいないとか家族がいないとかいった孤独ではありません。
もっと根本的なそして絶対的な他者との隔たりです。
ジャコメッティの作品群は私たちにその現実を突きつけます。



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